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AMOUR - Essais

理想の男性とは?  
Erika(エリカ)

仕事を終えた後、職場の向かいのカフェに直行した。そこでルツ(ミュンヘンから来た女性。前回記事参照)と待ち合わせている。
どうやら彼女は相変わらず魅力を発散しているらしく、隣席の男たちが彼女の気を引こうと声をかけている。


「元気?」と私。
「うん、でも隣の人たちがしつこくて」
「あなたがきれいすぎるからよ」


彼女は笑った。


「まったく、ナンパの仕方も知らないんだから」とルツ。
「どうして? 彼ら、何て言ったの?」
「彼らにとって主役はいつも自分たち自身なのよ。誰が一番かっこよくて強いか、その競争に勝てば、当然どんな女もイチコロだと思っている。馬鹿みたい」
「ねえ、その話の続き、レストランでしない?」


というわけで、パリ北駅近くのブラッスリーに場所を移動。
ここの店内はゆったりとしていてテーブルとテーブルが離れているため、静かに話すのにはぴったり。
料理も結構いけるし。
混んでいるときは時間がかかるけれど、まあ、それはどこのレストランでも同じこと。
まずメニューを見て料理を決めてから、ルツに今日の午後はどんなふうに過ごしたのか、聞いてみた。


「オランジュリー美術館へ行ったの。リニューアルしてから行ってなかったので。クロード・モネの『キリリと睡蓮』展をやっていたんだけど、幻想的な静けさを感じさせるコレクションだった。そのあとはセーヌ河岸をぶらぶら散歩」
「素敵な一日のメニューね。それはとってもいいアイデア!」
「実はこのあいだ会った日の帰り道、その展覧会のポスターを偶然目にしたんだ」


彼女の声には以前よりも明るさがあり、ボーイフレンドとの別離から立ち直り始めているのが感じられる。
展覧会について話を続けた。彼女の話にいちいち頷く私。
驚くほど話が合うので、彼女にとても親しみを感じるようになった。
私たち二人はとても気が合う仲だ。
料理が出されたところで、話を“本題”に戻すことにした。


「ところで、理想的な男性って、どんな人だと思う?」


少し考えてから、彼女はこう答えた。


「控えめで、気配りしてくれる人、かな」
「何に対する気配り?」
「私たち女性が出す“サイン”に対する気配り。女はきれいになるため、魅力的になるためにたくさん努力しているでしょ。それは男たちの思い通りになるためだと、多くの男は勘違いしている。相手を選ぶのは、女性の側であるべきよ」
「この社会では、男性の側が選び、決定するのが普通よね」
「でもそれは間違っている。もう21世紀なんだし、女性にも自由が与えられるべきでしょう」
「たしかにそのとおり。でも男性の方が行動力や決断力を身につけているのも事実」
「これからは、男性は女性を完全にリスペクトすることを学ぶべきよ。まずお互いをよく理解しあうことを学ぶべきだわ」
「だけど一方で、少し女性を驚かせてくれるような、大胆な男性もいいな」
「そうね。でもそれは、まず二人の間がうまく行き、女性がその男性を求めるサインを出してからの話。そうなれば何だってアリかも。サプライズだって歓迎だし」
「サプライズって、たとえばどんな?」
「つまり、静かでやさしいセックスを求めることもあるけれど、時にはところ構わず強引に求めて欲しいときだってあるじゃない? クルマの中とか、少し変わった場所でさ。男女関係ではサプライズの刺激はとても大事だと思う。そうでないと惰性の関係になってしまいがち」
「私も同感。惰性は男女関係の最大の危険要素ね。それは問題点を隠してしまうから。そして問題が発覚したときには、すでに事態は手遅れだったり」
「やさしさがいっぱいなのがいいな。特にセックスの後はやさしさ、暖かさが欲しい。静かに話したい。私は自分のすべてを相手に与えたのだから、相手にとってもそれが同じくらい大切なものであるということを感じたい。それなのに、たいていの場合、そこでがっかりしてしまう。結局彼ら自身の欲望を満たすことが一番重要だったのねって。そして男はすぐに眠り込んだり、全然関係ない別のことをやり出して、私を置き去りにしてしまう」
「私もがっかりすることが多い。男性にとっては、女性をまた一人征服しました、というだけの話なのかもしれないけれど、女性はすべてを与えたのだから、その気持ちをもっと理解してくれないと」
「そこが一番大事なところね。私はセックスそのものだけではなくて、それ以上のものを必要としているのよ。だから私にとって理想の男性とは、それがわかる人だわ」


食事を続けながら、私たちはさらに話し合った。
同じ思いを共有していることがわかり、私は過去の失敗談や悪い思い出を彼女に話して聞かせた。
私と心置きなく会話をすることができて、彼女もうれしそうだった。
私は彼女ともっと話してみたくなった。
しかし彼女は明日、出発の予定だ。


「仕事がたまっているの」と彼女。
「でもパリに来てみて、本当に良い気分転換になった」
「今夜うちに泊まってもいいよ」と私。
「実は東駅近くの小さなホテルに部屋をとったの。明日は始発に乗るからね。でもあなたと話すことができて本当によかった。ありがとう。寂しさもだいぶ薄らいだし。いつでも私のうちにいらしてね」


私も彼女と全く同じ気持ちだった。彼女と出会えて本当によかった。女性同士で女性の問題を話し合うと、とても元気が出るものだ。


エリカ(Erika)

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