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CULTURE - Art

Mon cher, Le Centre Pompidou
愛しのポンピドゥー・センターさま

Centre Pompidou
Place Georges Pompidou
75004 Paris, France
http://www.centrepompidou.fr/
11:00~21:00 無休
*展覧会、イベントごとに開場時間は異なる
最寄駅:メトロ11番線Rambuteau、4番線Les Halles
RER A、B、D線Châtlet–Les Hallesほか

90年代、パリ18区に住んでいたころ、アパルトマンの最寄駅がGare du Nord(北駅)だった。交通にはなかなか便利なところで、メトロ2、4番線のほか、RER(高速郊外鉄道)B、D線も通っており、パリ市内の主要ポイントに素早くアクセスすることができた。
RER B線でこの北駅からたったひとつ、Châtlet–Les Halles(シャトレ=レ・アール)駅が当時、わたしが最も通った、あるいは経由した駅だろう。ここはパリの中心地であり、大型商業施設フォーラム・デ・アールに地下通路で直結しているため、しょっちゅう遊びに行っていたものだ。
そこにはFNAC(フナック/CD、DVD、書籍、電化製品を売る大型チェーン店)を始めとして、シネコンや、パリ・ビデオ図書館Vidéothèque de Paris(現Forum des Images:フォーラム・デ・ジマージュ)などがあり、一日中いても飽きなかったのだ。
もちろん周辺散策もした。フォーラム・デ・アールから歩いて数分のところに、ポンピドゥー・センターがある。

正式名称は、Le Centre National d'Art et de Culture Georges Pompidou(ジョルジュ・ポンピドゥー国立美術文化センター)といい、1977年、時の大統領で発案者でもあったポンピドゥーにちなんで名付けられ正式オープン。内部には国立近代美術館、産業創造センター、公共図書館など、さまざまな施設があり、パリを文化と現代アートの拠点にしようとする強烈な意思がみなぎっていた(たとえ当時のアート界の流れと逆行していると非難されても)。
建築設計はイタリア人のレンゾ・ピアノとイギリス人のリチャード・ロジャースが手がけた。パイプや柱の構造を外部にむき出しにし、広くとった内部スペースをフレキシブルに使用できる作りだが、その外観はアートともいえるし、一般人には建築途中にも見えてしまい、政府の思惑も含めて、賛否両論を巻き起こしたらしい。

ふつうにアート好きの一般人(わたし)からすると。
広いエントランスを入り、近代美術館で開催中の目玉の展覧会の看板が左手にどかんとあるのをまずは見上げる。そして何かしらいつも催されている企画展をチェックするだけで、アートやメディアの世界でいま何が起きているのか、なんとなく分かったつもりになる。企画の切り口が、やはりひと味違うと思われるのだ。
実際、展覧会に足を踏み入れてみても、非常に濃い内容をゆったりじっくり観て回れた記憶がある。日本では、話題の展覧会ともなると長蛇の列に加え、人が多すぎてせっかく会場内に入れてもなかなか作品に辿り着けず、呼吸困難になりかけ、やっと近くで観られるポジションに滑り込んでも、次の人が気になりそそくさと次へ移らねばならない──。
この違いはなんなのだろうか?

もとい、展覧会目的でなくとも、ふらりと行ってそれなりに楽しめるのが、ここポンピドゥー・センターの悪くないところだ。
観たいものが特になくても、入り口右手にあるミュージアムショップに立ち寄るといい(センター内に3軒あるが1Fにあるほう)。いろんなジャンルのアート本、デザインの優れたポストカードや小物が目を惹く。こちらも洗練されており品揃えが並ではない。
建造から30年以上経っているため、老朽化はそこかしこにあろう。図書館に繋がるエスカレーター(これも屋外に設置)に乗ると、安定感があるのかないのかフシギな気分になる(現在メンテナンス中…)。だが、ドーム型のガラス越しに見下ろすパリの眺めはなかなかのものだ。それに屋上にも行ける。3ユーロを支払えば(26歳以下と毎月第一日曜日は無料)、見事な景観が待っている。

それに、センター前の大きな広場では、パフォーマンスをやっていることがある。パントマイムとか手品とか、市民や観光客が楽しめる憩いの場にもなっているのだ。
日本でもこういうことは行われていたりするが、特にこのセンターは面白いと思う(パフォーマンスが、ではない)。なぜなら。
ちょっと想像力を働かせてみよう。開館当時、このトンがった前衛的な(ある意味グロテスクでキッチュな)デザインの建物は、パリの伝統的な古い街並のなかで、いま見るよりさらに激しく浮いていた。ペンキも塗り立てだ。ガラスもビカビカ光ってる。
「現代アート? ナニソレ? 難しいよ」というセリフは、どこの国でも聞かれるだろう。でもそれが! こんなふうに、人を寄せ付けない顔をしておいて、いまではパリの日常にしっかりとけ込んでいるではないか!

パリのおなじみスポットとして、この時代に改めて建物を眺めてみれば、太いパイプの丸みが可愛い。古くすすけた色合いも味わい深い。中身(展覧会やイベント)は相変わらずトンがっているものの、風貌は様変わりした?ように見えてしまう(笑) そう見えるのは、わたしのほうが変わったからだろうか?
そういえば、現在開催中の大展覧会は「カンデンスキー展」(2009年4月8日〜8月10日)である。以前もカンデンスキーって、やらなかったっけ? 単独じゃなかったのかな、でもポスターは御大の絵だったはずで…。
個人的に、ポンピドゥー・センターといえば、昔はこのカンデンスキーと、1993年に開催された日本人建築家の「安藤忠雄展」の印象が強く、なんだかスゴイな〜と思ったものだった。
それが、いまはなんの気負いもなく、遊びに行ける。

みなさんも機会があれば、そんな気分で訪れてみてほしい。

Kaoru

 

P.S. ところで、ポンピドゥー・センターの分館が今年の秋、フランスのメッス市(フランス東部ロレーヌ地方の中心地)でオープン予定だそうだ。設計は日本人建築家、坂茂(ばん しげる)とフランス人建築家のジャン・ド・ガスティヌが手がけている。またもや奇抜な外観らしい。
メッス市は近年、TGV(テージェーヴェー:フランスの新幹線)が開通し、由緒ある古都であるとともに、位置的にはヨーロッパのほぼ中心。
このメッスのほか、海外への進出も計画中とのことだ。ポンピドゥーの野望は衰えていなかった──!

今後の展開が、また楽しみになってきた。

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